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【生命環境学科生命科学コース】卒業生の声-京都大学特定准教授

印刷用ページを表示する 2022年11月21日更新

  卒業生たちが社会でどのように活躍しているかを紹介する“【生命環境学科生命科学コース】卒業生の声"、今回は、生命環境学部の1期生で、現在、京都大学農学研究科で特定准教授をされている河内護之さん(黒柳研(現?名誉教授))の声をお届けします。

河内護之さん(京都大学農学研究科特定准教授、生命環境学部生命科学科卒業) 

河内さん

写真は、2019年11月京都大学農学研究科糸状菌?環境インターフェイス工学講座のキックオフシンポジウムより掲載。

河内護之さん(静岡県立浜松南高等学校 2009年生命環境学部生命科学科卒業) 

Q 今はどういう研究をされてますか?

 現在は大学で、糸状菌?環境インターフェイス工学講座という寄附講座を運営してます。いくつかテーマがありますが。私自身は、木材腐朽菌と呼ばれるキノコの一種を相手に研究を行っています。特にキノコを素材とした新奇マテリアルの開発及びその性質改変につながる細胞壁と呼ばれる細胞の最も外側に存在する構造に着目して解析を進めております。

 

Q 庄原キャンパスでの学生時代はどういうふうに過ごされましたか?研究者を目指そうと思ったのはいつぐらいでしたか?

 広島県立大学、広島女子大学、広島県立保健福祉大学が統合し、県立広島大学が開学した際に、一期生として入学しました。当時の生命環境学部は、地域創生学部,生物資源科学部に再編され今はありません。私はゆとり世代になる前の最後の年代であり、センター試験制度も大きく変わる前だったこともあり、さまざまな年代が駆け込みで大学を目指していた影響で、当時の生命環境学部は165名と今の県立広島大学では考えられないくらい同級生が多かったです。年代も多様で様々な地域の人材が凝縮されていたことはとても運がよいことだったと回顧します。学部2年までは、好きに遊ぶことに専念し、もっぱらバイトとサークル(テニス部に所属)活動をして過ごしていました。その2年のモラトリアムの中で、卒業後何をしたいか存分に考えました。人と同じことをするのが嫌いな性格なため、企業は絶対にいきたくないと考える一方、人類の役に立つようなライフワークをしたいと日頃から考えており、いつしか研究者を目指すようになりました。学部3年で大学院生が3名もいた黒柳研究室(黒柳先生は現在ご退官なさっている。)に配属され、そのことが研究者として生きていくことを決断するうえで大きく影響したと思います。当時の大学院生の先輩のアドバイスもあり、順調に研究も進展し、その後の大学院進学や現在のポジション取得までの道筋が見えたように今は思います。

 

Q 庄原キャンパスで学んだことは今のお仕事などにどのようにいかせてますか?

  当時は、植物天然物有機化学を主戦場として研究をおこなっていました。その後、応用微生物学に研究を大きくシフトチェンジしましたが、なぜか今のポジションでは学部時代にやっていたような植物関連のことや化合物の構造解析にも携わっていいます。どのような研究でもいつかは役に立つと考え当時頑張っていたことは無駄ではなかったと考えています。

 

Q 他の都道府県から庄原キャンパスに来られていかがですか?離れても広島への思いは?

 受験が広島駅前だったこともあり、大学は広島市内にあると思い込んでいました…。庄原と知り、最初は地図を見ることからスタートしましたがまさかこんな人里離れた場所にあるとは、、と思い衝撃を受けたことを今でも記憶してます。幸い免許と車の入手をすぐにできたため、それ以降は中国地方のあらゆる県にアクセスしやすいことが大きなメリットとなり、静岡県出身の自分が全く知らない中国地方を学ぶ上でとてもよかったと思っています。スポーツにあまり興味がないためカープやサンフレッチェ愛が根付くことはありませんでしたが、広島の食の部分は今でも恋しくなります。また、他に行く場所もなく庄原キャンパスにいる時間も長かったため、今でもたまに行きたいなと思うくらい愛着があります。機会があれば唐揚げカレーラーメン(今はあるか不明*)を食堂で食べつつ昔に思い馳せたいとも思います。

 

Q 最後に何かひとこと

 県立広島大学は、立地的に必ずしもあらゆる情報を入手しやすい環境とは言えないかもしれませんが、余計な誘惑や周りに翻弄されずに研究や勉学に集中しやすい場所でもあります。その環境をどのように生かして過ごすかが大事と思います。勉強も大事ですがしっかり遊んでおくことも後の人生を豊かに過ごすために必要かと思います。時間的に余裕のある20代前半はその後の人生の礎となるような知識を積み重ねるチャンスです。自然豊かなキャンパスで、その後のライフプランについてしっかり考えて大学を巣立っていってください。もし研究に興味を持ったなら修士だけでなく博士を目指して、そしてさらには世界に羽ばたくための明確な課題を見つけて頑張ってください。

 

  *唐揚げカレーラーメンは、現在、食堂のメニューからなくなっています。多くの学生さんに心に残っているメニューです。復活してほしいですね。(担当者注)


 庄原キャンパスからは多くの卒業生が巣立っていますが、河内さんのように京都大学で准教授として第一線で活躍している人もいます。これまで紹介したように、研究の世界で頑張っている人も多くいます。

 庄原キャンパスの生命環境学部やその前身の広島県立大学生物資源学部でまかれたタネは大きく花開き実を結びつつあります。県立広島大学生物資源科学部と組織名称は変わりましたが、教職員一同研究?教育に全力投球していきます。