「単分子膜の特性を活用」
本日の化学実験Aクラスでは前回とは異なる方法でアボガドロ数を求めました。アボガドロ数は、物質のmol数とその中に入っている分子数という二つの情報を得ることができれば求めることができます。
前回は、分子数が体積から容易に推測できる塩の結晶を利用しましたが、今回はステアリン酸-ヘキサン溶液を使ってアボガドロ数を求めてみました。
どうやって溶液中のステアリン酸の分子数を求めたら良いのでしょうか?ステアリン酸-ヘキサン溶液を水面上に摘下し、ヘキサンを蒸発させ、水面上にステアリン酸の単分子膜を形成させて、その面積から分子数を推定しました。
今回のポイントとなるのは正確にステアリン酸-ヘキサン溶液を測り取る、という点です。そのために安全ピペッターとメスピペットの使い方を習得する必要がありましたね。安全ピペッターはもう完璧に使いこなせますか。
測り取った溶液中の分子数を求めるために、単分子膜の面積と単分子膜を構成する一つ一つの分子の面積(既知数)を活用しました。墨液をたらした水面上にステアリン酸の単分子膜を形成させ、方眼紙を載せて写し取ると???墨の中に見える白い部分が単分子膜が形成された部分です。様々な形に広がって面白かったですね。最後に方眼紙のマス目から面積を求め、アボガドロ数を計算しました。
出席していた学生からは「前回と違って思ってもみない方法でのアボガドロ数の求め方で新鮮な気持ちで実験に取り組むことができた」「高校の化学の教科書や資料集の写真で見ていた、同様の実験では単分子膜が円を描いて形成されており、その結果から導かれるアボガドロ数は定数に近くなっていたが、自分で実験を行ってみると定数からかなり差異のある値になり驚いた」といった感想を聞くことができました。
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