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山本幸弘准教授の論文が、国際誌 Biocatalysis and Agricultural Biotechnology のオンラ
イン版に掲載されました。
Yukihiro Yamamoto, Kazuki Harada, Suzuna Kasuga, and Masashi Hosokawa.
Phospholipase A2-Mediated preparation of phosphatidylcholine containing ricinoleic acid and its anti-inflammatory effect on murine macrophage-like RAW264.7 cells. Biocatalysis and Agricultural Biotechnology. Available online 17 April 2019, in press.
以下概略を説明します。
「ホスホリパーゼA2によるリシノール酸含有リン脂質の調製とそのRAW264.7細胞における抗炎症作用」
ひまし油の主要構成脂肪酸に、リシノール酸というものがあります。普通の脂肪酸と違って、ヒドロキシ基(-OH)があることが構造的特徴で、また抗炎症作用を示すことが知られています。本研究では、このリシノール酸の抗炎症作用を向上させるために、リン脂質の形へと酵素的に誘導化することに成功しました(図1)。得られたリシノール酸のリン脂質誘導体は、その抗炎症作用を培養細胞を用いて評価したところ、誘導化する前の状態よりも強い抗炎症作用を示すことが確認できました(図2)。リン脂質は生体膜の主要構成成分であり、安全な素材です。従って、本研究で調製されたリシノール酸のリン脂質誘導体は、安心?安全な抗炎症剤としての利用が期待されます。