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かつて,アイスクリームは上流階級の人しか食せない高価な食品でした。安価でおいしいアイスクリームが食べられるようになるまでには,製造に関する研究が必要でした。その一例として,多くの研究により明らかにされた成分の特性を説明します。
脂質は最も重要な成分で,まろやかな風味を与えます。この効果は脂質含量が16%を超えるまでは添加量に応じてあらわれますが,16%を超えるとくどさが目立つようになります。
牛乳中の乳糖は水に溶けにくい性質を持ちます。例えば砂糖の添加量が増加すると,乳糖の溶解度が下がり結晶化します。こうなると砂を噛むような感覚を付与することになり,好まれません。
様々な成分が風味におよぼす影響について,これからも研究が続きます。
(文責?津田治敏准教授)