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広島県は三次,世羅,庄原,福山,安芸高田などアスパラガスの産地が広がっています。国産のグリーンアスパラガスが春から秋まで長期にわたって出回るのは、広島で生まれた全期立茎栽培法が全国に普及しているからです。現在,冬採り促成栽培技術もありますが,長期にわたって多く出回るのはグリーンしかないのが現状です。
甲村浩之准教授は,県立農業技術大学校の教員時代に学生と一緒にホワイトアスパラガスの長期採り技術を開発しました。県農業技術センターの開発した母茎押し倒し誘引法と不織布による遮光を組み合わせ,ホワイトアスパラガスを春から秋まで,また,真夏でも収穫できるようにしました。一方,紫アスパラガスについては約20年前にアメリカ合衆国の種苗会社から国内では最初に種子分譲を受けて栽培試験に取り組み,農家にも普及してきました。この紫アスパラガスにも先の方法を応用して,ピンク色のさくらアスパラガスを長期に収穫できる技術も開発しています。まだ,市場に出回っておらず,激レアで女子学生の人気も高いです。現在,県農業技術センターと協力してホワイトアスパラガス栽培の普及試験を始めています。紫やさくらアスパラガスも地元のサッカーチーム支援や地域特産につなげられないかと模索しているところです。