里山の花~キンランとギンリョウソウ
庄原キャンパスは七塚丘陵地を切拓いて造成されているため,里山の植物がキャンパス内にもみることができます。その代表ともいえる花が咲いています。ひとつはラン科の多年草のキンランです。黄色の鮮やかな花弁ですが、この花弁は開き切らず木漏れ日のなかで静かな印象の花です。地中では、腐生菌や菌根菌、コナラなどの樹木の根とともに絶妙な共生圏をつくりあげていて、これらの菌から栄養を一部もらっています。いったんその関係が乱されるといち早く姿を消してしまう花です。
もうひとつ、ギンリョウソウ(別名ユウレイタケ)は、キンランのような栄養源を一部分けてもらう関係から、地中の腐生菌からすべての栄養をいただいている植物です。そのため葉緑素を失っており光合成が全くできません。真っ白な花は、うす暗い林の下ではよく目立ちます。ユレイタケの別名もあるようにキノコの仲間のように思われがちですが、花を咲かせ種子を散布させる種子植物です。