本文
[写真1 Homo sapiens] ヒトの電離放射線高感受性遺伝病「Ataxia telangiectasia(血管拡張性小脳失調症」」患者さんの皮膚から分離された線維芽細胞にX線1Gy照射した後に生き残ってきた細胞のギムザ染色像。下方にX線の影響で巨大化した細胞がいくつも見える。
[写真2 Mus musculus] マウス胎児由来のA31-1-1細胞にX線を2Gy照射して培養した細胞のギムザ染色像。敷石上に敷き詰められている正常細胞が背景にあるが、その上に、とがった形で濃く染まっているがん細胞の集団(フォーカス)が出現している。
[写真3 Mus musculus (BALB/c nu/nu)] 無胸腺のマウスに発生した転移腫瘤(首のあたりが膨らんでいる)。
[動画1 Tetrahymena thermophila] 生涯泳ぎ続けるテトラヒメナ。この小さな原生生物から、医学生理学上の重大な発見が多くなされている。例えば、老化のキーを担うテロメア、タンパク質を処理するリソソームやパーオキシソーム、酵素活性を持つRNAであるリボザイム、RNAの翻訳コードのストップコドン、ヒストンのアセチル化、そして、オーロラ? キナーゼによるヒストンのリン酸化などもあり、枚挙のいとまもない。私たちの研究室では、哺乳類からオーロラ?キナーゼ(AIM-1)を見つけて研究を続けており、写真3はオーロラキナーゼ高発現の細胞を移植して生じた転移がんの腫瘤である。