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【庄原地域連携センター】「安芸高田市で医療通訳のシンポジウム」を開催しました

印刷用ページを表示する 2020年2月27日更新

実施概要

 本学庄原地域連携センター主催,安芸高田市共催で「多文化共生シンポジウム 広島県の医療通訳の拡充に向けて 安芸高田市の医療現場から」を2月12日(水)の午後に安芸高田市民文化センター大ホールで,約30名の参加者のもと,開催しました。
 本シンポジウムは,医療通訳の必要性とその課題を広く知ってもらうことを狙いとしました。

実施状況

 基調講演

 広島大学大学院総合科学研究科河本尚枝准教授より,適切な医療通訳が医療コスト削減に寄与すること,人権の観点から医療通訳が欧米では重視されていること,その費用が公的に負担されていることなどが報告されました。

現状紹介

 吉田総合病院地域医療連携室の中村圭子主任が勤務先の状況から,翻訳機器などを組み合わせて対応しているものの医療現場からは適切な医療通訳が必要だという声があると述べました。
 続いて,ひろしま国際センターの熊本良平交流部長は,当該センターで行われている医療通訳の試みについてその仕組みの説明を行い,専門用語の多い医療通訳の特殊性に鑑み研修を受けた者が登録されていることや,通訳者が医療過誤で賠償を求められないようにしていることなど,述べました。

パネルディスカッション

 その後,「パネルディスカッション」として,上記の3名に,NPO法人多文化共生センターきょうと重野亜久里代表,広島県健康福祉局医務課西丸幸治課長も加わり,県立広島大学地域基盤研究機構上水流久彦准教授の司会のもと,医療通訳の課題とその解決方法について議論を行いました。
 重野代表からは,通訳ミスで起きた重大な事態や自治体と病院が通訳費用を負担している事例などが紹介されました。
 西丸課長は他の都道府県で行われている事例などについて情報提供をしました。

 フロアからは,様々な「外国人」市民がいることから「外国人」として一括りにして議論する問題点やボランティアではないプロの医療通訳の必要性などに関する意見や質問が出ました。知人や家族に通訳を任せるのでなく,きちんとした医療通訳者が必要であること,負担は国も含め行政,病院,患者など改めて考えるべきであること,対面通訳に加え翻訳機器や遠隔通信での通訳などの組み合わせを検討することなどが,総合的に議論されました。

参加者アンケートより

 「医療現場,外国人が抱える問題,課題を知る事ができた。医療通訳者に高度な,豊富な知識,経験,語学力が求められている事も知る事ができた」などの感想があり,本シンポジウムの目的を果たすことができました。

 

 なお,本シンポジウムの実施にあたり,広島県,安芸高田市国際交流協会,ひろしま国際センター,ひろしま多文化共生研究会の後援をいただきました。感謝申し上げます。

基調講演の画像基調講演の画像

河本広島大学大学院准教授による基調講演

パネルディスカッション