地域文化コース?福田研究室は8月8日(木曜日),国語教育シンポジウム「現場を学ぶ/現場で学ぶ」を開催しました。
最初に,羽原綾香先生(岡山県立東岡山工業高校)には,普通科と工業科のカリキュラムの違い等について,実践例の紹介も交えてお話しいただきました。次に,武久萌木先生(兵庫県立東灘高校)には,学生時代に国語と英語の免許を取得し,中学校と高校の両方で勤務した経験を踏まえ,キャリア形成における「回り道」についてお話しいただきました。最後に,竹端紀子先生(滋賀県立膳所高校)からは,古典教材による授業実践についてレクチャーいただくとともに,教育実習に臨む際のアドバイスをお話しいただきました。その後の全体討議では,学習指導要領(平成30年告示)を踏まえた授業構想?評価のありかた,現場における教員自身の学びなど,多岐にわたる問題が議論されました。
8月9日(金曜日)には,羽原先生と武久先生,有志学生が広島平和記念資料館の見学と読書会を実施しました。資料館見学後に広島キャンパスに戻り,「原爆文学」の代表作,そして「定番教材」のひとつでもある林京子「空罐」(『ギヤマン ビードロ』所収)について議論しました。作中で「ガラス」に関わる記述が散見されることの意義や,当事者性の問題を含めた登場人物らの造形,小説の構成と「記憶」との関わり,そして本篇と併せて取り上げるべき教材?資料などについて,詳細な検討を行いました。
福田研究室は,今後もこうしたシンポジウムやセミナー,読書会などを継続的に開催し,教職を志す学生らが「現場を学ぶ」機会を確保するとともに,それを社会貢献や高大接続の取り組みにも繋げてゆきたいと考えています。