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竹本 祥子
2022年度大学院修了
株式会社常石造船勤務
私は2016年4月から県立広島大学人間文化学部国際文化学科で英語や米国文化を中心に学び,さらに2021年4月から2年間は県立広島大学大学院人間文化学専攻で学びを深めました。高校時代から「大学生になったら絶対に留学したい」と思っていて,学部在籍中の10か月間,カナダのランガラ大学にも留学しました。
学生時代は自由に使える時間が多いので(=人生の夏休み!),とにかくいろいろなことに挑戦しました。英語や米国文化に関する授業履修はもちろん,サッカー部のマネージャーをしたり,休日にはキャンプや登山を楽しんだりしました。
英語については,特にカナダへの留学と大学院での学びを通じて,その力がついたように思います。留学先では,英語の長文を読んでレポートにまとめ,それをもとに授業では他の学生たちと英語でディスカッションを行いました。これを繰り返すことで,頭の中で日本語に変換することなく,英語だけで考え,会話できるようになりました。学部と大学院で私を指導してくださった栗原先生の「一度書いてみて一晩寝かせてから提出すること」というアドバイスも,私の英作文の力を向上させてくれました。
大学院修了後の2023年4月,広島県福山市に本社がある常石造船株式会社に入社し,現在は船の販売業務などを担当しています。1隻60億円もする大型船舶を扱っており,責任重大な,しかしやりがいのある仕事です。
私は海外顧客との交渉や契約を主に担当していますが,会話も電子メールもコミュニケーションはすべて英語! 仕事で英語を見ない日はないといってよく,大学?大学院時代に培った「話す」「読む」「書く」の英語力が大いに活かされています。中でも,学生時代に触れたアメリカ文学と仕事で使う英語,特に契約書の文面は語彙や文体などが異なりますが,学生時代に学んだ「英語をきっちり読む」スキルはとても役立っています。
また,国籍や立場が異なる多様なステイクホルダー(ビジネスパートナー)とコミュニケーションを行う機会が多いのも現在の仕事の特徴の1つです。国内外の商社マンと契約書の締結に向けた交渉を行うほか,船の引き渡しセレモニーを外国人クルーと協力して運営したり,ギリシャ人インターン生をアテンドしたりしています。日本と外国のカルチャーギャップに驚くこともしばしばありますが,一方で「一期一会」を感じることも多く,彼らとのコミュニケーションを楽しんでいます。
大学生は,高校生や社会人などと比べて,自由に使える時間がたくさんあります。だからこそ,漫然と過ごすのでなく,自分がやりたいことにどんどん挑戦してほしいと思います。まずは一歩を踏み出すことが大切です。その先にいろいろな世界が見えてきます。
地域文化コースでは国内外のさまざまな言語や文化を学ことができます。外国語や外国文化に関心のある高校生の皆さん,県立広島大でそれらを学び,世界を相手に仕事をしてみませんか。