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所属:地域創生学部?地域創生学科?地域文化コース 職位:教授,国際文化学科長,地域文化コース長
学位:M.A.
研究室:県立広島大学広島キャンパス1824研究室
E-mail:yosimoto@(@の後にを付けて送信ください)
研究内容:https://researchmap.jp/snark_boojum
19世紀のイギリス文学?文化を多面的に研究しています。特に写真や絵画と文学の影響関係、ヴィクトリア朝期の大衆文学や児童文学における当時の植民地主義や帝国主義の影響、植民地主義と英語圏拡大の問題点、演劇文化などに焦点を当てています。
英語圏児童文学のポストコロニアリルな読み、写真とラファエル前派主義絵画、英語帝国主義と日本、英国の演劇文化の教育への導入
現代世界のポピュラー?カルチャーに多大な影響力を持つイギリス文学作品やメディア文化と、その背景としてのイギリスの歴史、特に19世紀前後、の関係について研究しています。出発点は児童文学作家としてのルイス?キャロルの作品です。問題意識の根底には、英語習得を至上命題に掲げる日本人が、大英帝国の歴史の結果「世界言語」となりえた特殊な言語としての英語の本質を知ることの重要性を認識することの重要性があります。また、世界における言語の平等、言語と個人のアイデンティティの問題、文化の混交と言語政策の問題、マスメディアにおける視覚表現(写真や絵画)と言語の問題、などに関心があります。具体的には、ルイス?キャロルを中心とするイギリス児童文学作品やヴィクトリア朝期大衆文学(冒険小説、怪奇小説、推理小説等)の作品研究、写真術の出現とラファエル前派絵画や文学主題の影響関係などについての研究です。教育実践として、英語圏の演劇作品の教育への導入という課題にも取り組んでいます。
世界に対して情報発信するために、英語は重要なコミュニケーションの道具となってきたが、一方で英語への一極集中は、各国文化の破壊という危険性も孕んでいる。高度な英語力を身につけたとしても、それが英語圏文化の受容にのみ用いられるのでは意味がない。文化や言語の平等を念頭に置きつつ、英語で発信するに値する内容、あるいは幅広い教養を身につけた上で、世界と対等な立場で対話できる人材の育成に努めたいと考えている。その意味で、17〜19世紀の英国の帝国主義の歴史を中心に置きながら、その後現代に至る英国文化を、文学、演劇、映画、絵画、音楽などから多面的に捉えようとする授業、そして研究活動を展開している。
具体的には、ヨーロッパの植民地開発の歴史と深い関わりを持つ冒険物語、ヴィクトリア朝期に全盛期を迎える児童文学や大衆小説、イングランドの伝承童謡、旧植民地の国々の作家が英語で書いた現代文学などを読む授業や、英国文化を描いた映画の分析を行う授業、英語による演劇活動により自己表現力をつける授業などを通じて、高度な英語力とコミュニケーション能力、自己表現力を身につけてもらえるよう努力している。
また、文学とメディアの関係性について関心を持っており、特にヴィクトリア朝期に重要な意味を持った写真術の出現と絵画の相互関係、そしてそれらのメディアと文学の関係について研究している。
日本は開国以降、英国文化から非常に大きな影響を受けて来た。その影響は社会制度や王室(皇室)の在り方をはじめ、幅広い分野にわたっている。戦後はアメリカとの同盟関係もあり、アメリカに目が向きがちだが、日本と同様に、大陸文化の周辺に位置する島国としての英国から学ぶべきことはまだまだ多いと考える。
英国文化の中心にある演劇文化の紹介と導入は日本がこれから国際コミュニケーションの様々な場面で存在感を見せる上で重要な要素となると考えている。なぜなら、現在の日本の教育制度には演劇教育が圧倒的に不足しているからである。そのことは、国際社会での日本のリーダーシップの弱さの問題と深く関わっていると考える。教育現場における演劇教育の重要性はようやく一部で認識されはじめてはいるが、今後さらに広めてゆく必要がある。英国の劇団招致や演劇指導のワークショップ開催など、演劇教育の推進に関心のある連携者を求めている。
また、英語による国際平和都市ヒロシマからの情報発信に関わるテーマや、平和への取り組みへの賛同者の拡大と世界への働きかけに関わるテーマについても連携が取れれば良いと思う。実際に英国との学生交流などができる活動の可能性があれば、前向きに対応したい。
英語圏児童文学、ヴィクトリア朝文学文化、写真、ラファエル前派絵画、Pre-Raphaelite Brotherhood,ポストコロニアリズム、Postcolonialism, 英語帝国主義、ルイス?キャロル、Lewis Carroll