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所属:保健福祉学部 保健福祉学科看護学コース 職位:助教 学位:修士(保健看護学)
研究室:県立広島大学三原キャンパス3407号室
E-mail:m-sawaoka@(@の後にを付けて送信ください)
糖尿病患者は増加傾向にあり,糖尿病とその他の疾患の併存状態にある患者は増加しています。なかでも,がん合併糖尿病患者はがん薬物療法と血糖コントロールの両立が必要ですが,これらの治療や療養を継続していく中で,様々なストレスが生じると考えられます。これらのストレスに対処しながら療養を継続できる支援について研究を行っています。
がん薬物療法を受けているがん合併糖尿病患者が首尾一貫感を強化させていくプロセス
がん薬物療法中の患者はステロイド剤や食欲低下による血糖コントロール不良,高血糖持続による感染リスクの上昇から,予定していたがん薬物療法の延期または中止の可能性がでてきます。そのため,がん合併糖尿病患者はがん薬物療法と血糖コントロールの両立が必要です。近年,糖尿病患者の感情や血糖を良好に維持したり,がん患者の精神的健康やQOLを維持するための重要な概念として首尾一貫感というものがあります。この首尾一貫感が症状をより良い状態へコントロールすることが明らかになっていることから,がん薬物療法中の糖尿病患者の首尾一貫感が高まると,QOL向上に向けて主体的に症状マネジメントを行い,がん薬物療法を継続しながら血糖コントロールが維持できるよう療養行動を継続することができると考えました。そこで,がん薬物療法を受けるがん合併糖尿病患者が首尾一貫感を強化させていくプロセスを明らかにし,患者の首尾一貫感を強化する看護支援のあり方を検討しています。
現在は,糖尿病と併存疾患(がん,心臓病)を抱えている患者さんの看護について研究しています。卒業研究では周術期に関することや感染症に関する研究を学生さんと一緒に行っています。
また,授業では成人看護学に関する科目を主に担当しています。慢性疾患を抱えている患者さんの看護や手術を受ける患者さんの看護についてグループワークを通じて学生さんと一緒に考えています。グループワークでメンバーの意見を聞きながら検討することで,新たな発見や視点に気づくことができます。慢性疾患を抱えながら生活する人の看護や手術によって新たな生活様式を獲得しなければならない患者さんの看護について一緒に学んでいきましょう。
これまでの研究で,がん薬物療法中の糖尿病患者の首尾一貫感を高めるプロセスについて明らかにしてきました。今後はこのプロセスが臨床で応用可能であるかについて検討をしていきたいと思います。
看護師,保健師,広島県糖尿病療養指導士
糖尿病,がん,併存疾患