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所属:地域創生学部地域創生学科健康科学コース 職位:教授 学位:博士(医学)
E-mail:kitadai@(@の後にを付けて送信ください)
研究内容:https://researchmap.jp/read0088539
今後進めていきたい研究について
臨床的に動機付けされた課題を基礎的に解明するということを基本にしています。これまでは癌細胞の標的分子の発見に力を入れていましたが、今後は癌と間質細胞の相互作用を解析し、間質細胞上の標的分子を同定していきたいと考えています。
消化器がん転移のメカニズムの解明と新しい治療法の開発
病理学をはじめとする形態学を習得することは癌の診断、治療のために非常に大切です。しかし、形態診断の向上だけでは癌治療の限界があるのも確かです。癌転移のメカニズムを分子レベルで解明しないと新しい治療は見つかりません。私たちの研究室はこれまで得られたがん転移の分子機構を基に、分子標的治療や遺伝子診断への応用を目標として研究を行っています。
病理学をはじめとする形態学を習得することは癌の診断、治療のために非常に大切です。しかし、形態診断の向上だけでは癌治療の限界があるのも確かです。癌転移のメカニズムを分子レベルで解明しないと新しい治療は見つかりません。私たちの研究室はこれまでの実験で得られたがん転移分子メカニズムの結果を基に、分子標的治療や遺伝子診断への応用を目指しています。
大腸癌転移における癌?間質の相互作用の重要性と新規治療法の開発。 これまで、留学期間も含め、一貫して、大腸癌の転移機構について、研究を続けてきました。VEGFが大腸癌の重要な血管新生因子であることを初めて証明し世界初の分子標的治療である血管新生阻害薬、ベバシズマブの開発に大きく寄与しました。
現在は癌と間質の相互作用に興味を持ち研究をしています。間質には活性化した線維芽細胞(CAF)だけではなく、マクロファージ(CAM)やリンパ球(TIL)も存在し、腫瘍免疫機構が働いています。間質の活性化のみを阻害しても、腫瘍の縮小効果はほとんど見られず転移抑制作用もわずかです。これまでは抗癌剤を併用していましたが、現在、分子標的薬や免疫チェック阻害剤を併用することで、より強い転移抑制効果が認められることを確認し、その機構を現在解析中です。
広島大学医学部、消化器内科 客員教授
奈良県立医科大学 分子病理 客員教授
認定内科医
消化器病専門医
消化器内視鏡専門医
大腸癌における血管新生抑制薬の開発
大腸癌において、VEGFが重要な血管新生因子であることを証明しました。本論文はVEGFが重要な血管新生因子であることをヒトの手術材料を用いて初めて報告したものですが、これまで1000以上の論文に引用していただきました(Cancer Res. 1995)。その後、世界初の分子標的治療である血管新生阻害薬、ベバシズマブの開発に大きく寄与しました。
癌と間質の相互作用に重要なサイトカインや増殖因子を明らかとしました。腫瘍間質や血管内皮を覆うペリサイトにはPDGFRが高発現していますが、腫瘍細胞には発現していません。このような腫瘍に対してPDGFRりん酸化阻害剤で治療をしますと、腫瘍増殖だけではなく、転移も抑制されました。間質の活性化のみを阻害しても、腫瘍の縮小効果はほとんど見られず転移抑制作用もわずかです。これまでは抗癌剤を併用していましたが、現在、分子標的薬を併用することにより強い転移抑制効果が認められることを確認し、その機構を解析中です。
臨床的に動機付けされた課題を基礎的に解明するということを基本にしています。これまでは癌細胞の標的分子の発見に力を入れていましたが、今後は癌と間質細胞の相互作用を解析し、間質細胞上の標的分子を同定していきたいと考えています。