本文
所属: 地域創生学部地域創生学科健康科学コース 職位:教授 学位:博士(栄養学)
研究室:県立広島大学広島キャンパス
研究内容:https://researchmap.jp/read0127492
嚥下機能の低下した高齢者に対する栄養管理方法の検討を行っている。
嚥下機能の低下した高齢者に対する栄養管理方法
世界中で高齢化が進んでいる。その結果、咀嚼機能や嚥下機能の低下した高齢者が増加している。これらの高齢者に対応する食品物性についての検討を行っている。
普段何気なく食べている食事について考えてみましょう。健康維持増進のためには、日本人の食事摂取量基準が参考になります。1年生では、食事摂取基準を学びます。2年生では、妊産婦から高齢者の栄養管理について学びます。肥満や生活習慣病にならない食事や生活を送る必要があることはよく知られていますが、75歳過ぎると、観点を変え、低栄養やそれに関連した転倒(足の筋肉が少ない、バランス感覚が落ちる)や肺炎(栄養状態が良いと肺炎になっても回復可能ですが、低栄養の方の場合、亡くなることもあります)などに留意する必要があります。
また、高齢者では少々肥満気味の方が長生きするといった報告もあります。一方、咀嚼機能や嚥下機能が衰えてくると、食事の形態を調整する必要が出てきますが、食事を柔らかく仕上げることは水分を多く含ませるため、単位重量当たりの栄養価が低下し、低栄養に陥りやすい食事になります。エネルギーや栄養素について学ぶことは重要ですが、高齢化が進展している国では、食形態やそれを客観的に評価する方法、また低栄養予防の栄養補助食品なども学ぶ必要があります。
高齢者の栄養管理、摂食嚥下障害者のための食事などに関する研究を行っています。病院、福祉施設、行政、企業等、高齢者の食事に関わる様々な分野の方々と研究を進めていきたいと考えています。これまで、県内の複数の病院や福祉施設の嚥下調整食の基準作り等を行ってきました。また、広島大学病院や県立広島病院等の多職種と協同で、「嚥下パスポート(嚥下パスポートネット)」の利用方法およびその解説を加えたマニュアル本を作成し、摂食嚥下障害者管理の地域連携の支援ツールとして県内の病院等に配布しました。
広島大学とは、在宅でリハビリを行うためのプログラムに関する研究や、血糖値の上がりにくい弁当の開発も行っています。
嚥下障害、低栄養