本文
所属: 保健福祉学部 保健福祉学科コミュニケーション障害学コース 職位:教授,コミュニケーション障害学科長,コミュニケーション障害学コース長
学位: 博士(社会福祉学)
研究室:県立広島大学三原キャンパス
E-mail:bouoka@(@の後にを付けて送信ください)
研究内容:https://researchmap.jp/minekobooka0420
コミュニケーションに何らかの障害をもつ人々の残存能力に注目し,文字,描画,ジェスチャーやコミュニケーションアプリなどの拡大代替コミュニケーション(AAC)といわれる手段の開発や活用について研究しています。
?失語症向けコミュニケーションアプリの開発 ?失語者に対する拡大代替コミュニケーション(AAC)活用に関する研究 ?失語症者の実用的コミュニケーション能力評価に関する研究 ?失語症会話パートナー養成講座の効果評価とよりよい支援にむけた研究 ?介護士のコミュニケーションスキルアップ支援プログラムの開発
?介護予防教室(口腔機能維持?向上)における多職種連携とその効果
常にコミュニケーションに何らかの障害をもつ人々に対して,実用的な支援につながることを念頭に研究をすすめています。主に失語症の方がことばでの伝達は難しくても,拡大代替コミュニケーション(AAC)を活用することで,コミュニケーションを成立させ,その人らしい生活を実現する支援を目標としています。そのために,失語症者のAAC活用能力の評価,会話相手であるパートナーのコミュニケーションスキルアップに向けた支援に関する研究をしています。さらに失語症者のAAC手段のひとつとなるような、コミュニケーションアプリの開発もすすめています。アプリの開発は数年前より,島根大学理工学研究科廣富哲也研究室と共同で行い,本学附属診療センターに来られている患者さんなどにご協力を頂き,改良をすすめているところです。このAACの領域の国内での研究や実践は欧米に比べると遅れており,国際学会での発表や情報収集などに努めています。
また,介護現場では介護職の方々が,認知症などがある方とより良いコミュニケーションをとるためのコミュニケーションスキルアップに関するプログラムの開発も実施しています。
さらに約10年前より,安芸郡熊野町で多職種者により開催される介護予防教室に携わり,口腔機能維持?向上にむけた説明や自宅で実施できる“お口の体操”などを紹介し,その成果を検証しています。
ある日突然、言葉が話せない、人の言っている意味がわからない、という状況になることを想像してみて下さい。失語症の多くの人はそのような経験をされています。認知症の人も次第にものの名前が思い出せない、早口でたくさん話されると理解ができない、という状況になることが多いです。
そのようなコミュニケーションに何らかの障がいが生じた人たちを、支援する方法のひとつとして、ことばが話せるようになる言語訓練をするだけではなく、残存機能に注目し,ことば以外の文字,描画,ジェスチャーやコミュニケーションアプリなどの拡大代替コミュニケーション(AAC)といわれる手段の開発や活用について研究をしています。さらに、AACを活用した、より良いコミュニケーションを成立させるためには、会話相手となる人たちへアプローチも大切です。そのアプローチの方法についても研究をしています。
これらの研究は常に、本学の附属診療センターの患者さんたちにご協力して頂いており、本研究室を卒業したゼミ生からは、病院での言語聴覚療法をすすめる上でも役に立っているという話を聞いています。
現在、失語症者向けのコミュニケーションアプリの開発を、リハビリテーション工学研究者らとすすめています。今後、開発中のアプリを普及させていくためには、失語症者が認識しやすいオリジナルなイラストの作成が課題となっています。また、研究成果を福祉?医療の現場で実用化していくためには、研究の過程において、多く当事者、家族や言語聴覚士をはじめとする福祉?医療に関わる専門職者との連携協力も必要と考えています。
言語聴覚士,社会福祉士,介護支援専門員,認知症ケア専門士
言語聴覚士,失語症,コミュニケーション障害,拡大代替コミュニケーション(AAC),コミュニケーションアプリ,コミュニケーションパートナー,介護予防
開発中の失語症者用コミュニケーションアプリを重度失語に方に試用して頂いている場面。卒業研究で学生も研究に取り組んでいます。