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コミュニケーション障害学科 准教授 坊岡峰子が2019年10月29日,30日に中国?北京で開催されました,“一帯一路”国家言語リハビリテーション教育サミットフォーラム&第3回中国言語リハビリテーションフォーラム“からゲストプレゼンターとして招聘を受け,参加してきました。
プレゼンテーションは2つの内容を依頼されており,「日本における言語聴覚障害専門職(言語聴覚士)の養成(Education of Japanese Language and Hearing Rehabilitation Major) 」と「失語症とAAC(拡大代替コミュニケーション)(AAC for Aphasia)」というテーマでおこないました。AACとは,ジェスチャーや描画,コミュニケーション機器の使用など,ことば以外のコミュニケーション手段のことです。
言語聴覚士の国家資格が制定されるまでの歴史も含め,資格を取得するための複数のコースの紹介や,国家試験の内容,さらに,卒業後の日本言語聴覚士協会が主催する,生涯学習プログラムなどを紹介しました。また具体的な例として,本学科のカリキュラム構成の概要や学生の1年次から4年次までの時間割の例を示しました。
日本における現状の他,主に本学の附属診療所の患者さんに臨床でおこなっている検査の内容や,ジェスチャーや描画などのAACの活用を紹介しました。また,これまでに研究してきました,失語症がある方同志のLINEの活用や,失語症者用アプリケ-ション(アプリ)に関する内容も紹介しました。発表のためにご協力頂きました患者さんやご家族には,研究結果や写真などの提示につきましては快諾を頂きました。
発表後には,日本の養成課程に興味をもった方や,中国で悪戦苦闘しながら特別支援学校での言語訓練を頑張っている人などからも声をかけて頂きました。
フォーラムには,台湾,香港,韓国,フィリピンのほか,アメリカ,オーストラリア,ニュージーランド,ブラジル,エジプトなどから多くのゲストスピーカーが招聘されており,各国の言語聴覚障害に関する専門職者養成や,リハビリテーションの内容を発表していました。様々な国の発表を聞き,これからの日本の言語聴覚士の課題を考えることもできる貴重な機会でした。