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齋藤教授(細胞機能制御学研究室)の論文がMolecular Cellular Biochemistry誌に掲載されました。
Saitoh Y, Yamaguchi Y, Okada Y.
Mol Cell Biochem. 2021, 476(10):3613-3622. doi: 10.1007/s11010-021-04189-z.
PMID: 34028646
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日本語タイトル:
ヒト皮膚細胞に対する過酸化水素、脂質過酸化、グリオキサール*誘導性傷害に対する分子状水素の防御効果
水素は抗酸化能や脂質過酸化を抑制する効果があると報告されており、医薬化粧品分野でその活用が期待されていますが、皮膚ストレス傷害に対する効果についてはあまり良くわかっていませんでした。そこで本研究では、皮膚細胞に対し過酸化水素、脂質過酸化、グリオキサール(*)という3種のストレスを与え、分子状水素の効果について検証を試みました。その結果、分子状水素は細胞内の酸化ストレスや脂質過酸化の抑制作用を介して細胞をストレス誘導性障害から保護する効果があるということを見出しました。研究は、水素を水溶液中に高濃度溶存させる装置を開発した広島化成株式会社(本社:福山市)の協力のもと、生命科学科の山口裕貴さん、岡田宥平さんらが在学中に進めた研究成果が今回の発表へとつながりました。このように庄原キャンパスでは、地元企業とも協力しながら研究活動を進めており、その中で学生自身も大きく成長していくと考えています。
本研究の一部は、JSPS科研費20K11627の支援によって行われました。
用語解説
*グリオキサール:
体の中で糖とタンパク質が反応して生成される糖化反応中間体の一つ。糖化による反応生成物(終末糖化産物)の蓄積は、ヒトにおける様々な疾患や肌老化などの加齢性変化に関わることが知られています。