人工光と水耕栽培により屋内で植物を育てる
「人工光植物工場」が庄原キャンパスにオープン
取り組み内容
人工光と水耕栽培により屋内で植物を育てる「人工光植物工場」が4月14日,庄原キャンパスにオープンし,記念式典が開かれました。かつて畜舎だった建物(約230平方メートル)をリニューアルし,栄養豊富な培養液が工場内のプラントから送られて,ベビーリーフやサラダ菜など葉物類を育てます。工場内は一定の空調温度で保たれ,人が入る際には全身を無菌作業服で包み,手洗い消毒して臨みます。雑菌が入らない場所で育つ葉物類は,ベビーリーフ約20日,レタスで40日で出荷が可能で年間13万株の生産能力があります。
庄原キャンパスのある備北地域は中山間地に農地が点在し,年平均気温が仙台市とほぼ同じ寒冷地です。積雪のある冬季でも効率よく農作物を生産することが課題と考えます。これまでも学生たちのフィールド科学実習で,ビニールハウスにおける葉物類の水耕栽培を行ってきました。担当の甲村浩之教授は「農業の6次産業化や地域課題解決も視野に,コスト削減や販路の開拓に取り組みたい」と話しています。
SDGsにおいて植物工場には,気候変動に左右されず,最小限のエネルギーで最大限の収穫を得る目的があり,地域に安全安心と健康的な食材を届けること,将来的に起こる可能性がある食糧危機への対応,そして学生の参加による,植物工場を通じた質の高い教育の実施など,多くのテーマにも対応していると考えています。