堀田 桜Sakura Hotta
広島県立三次高等学校
プロフィール
広島県立廿日市高等学校出身。
2019年に生命環境学部生命科学科(2020年4月より生物資源科学部 生命環境学科 生命科学コース)卒業後、広島県立三次高等学校に就職。「生物基礎」「生物」など理科の教員になり、教材も日々研究し、理科のおもしろさが伝わるように工夫している。そのほかクラス担任と部活の顧問、そして校務分掌といって学校運営の業務にも携わっている。
生徒の成長を楽しみながら、身近な学問としての、
理科の魅力を伝えていきたい。
現在、高校時代から志していた理科の教員になり、広島県立三次高等学校に勤めています。高校では「生物基礎」「生物」などを担当しています。生徒の成長を楽しみながら身近な学問としての理科の魅力を伝えていきたいと思っています。理科への関心を高めるため教材研究で工夫を重ねています。授業では理解を深めるため、一方的に教えるだけでなく、生徒自身に考えてもらう時間を設定しています。教材も日々研究し、理科のおもしろさが伝わるように工夫しています。
理科には実験がありますが、例えば酵素の分解実験をするときは、スーパーで鶏のレバーを買い、すりつぶして抽出液をつくって授業に備えます。私自身、実験は好きなので準備も楽しいですし、実際に体験すると関心が高まるので、多くの生徒に理科を身近に感じ、好きになってもらおうと気合も入ります。
そのほかクラス担任と部活の顧問、そして校務分掌といって学校運営の業務もあります。仕事は多岐にわたりますが、毎日が変化の連続でとても楽しいです。また、1~3年まで全学年の理科を教えるため生徒の成長をすぐそばで見ることができ、大きなやりがいを感じています。
県立広島大学を選んだきっかけは、子どものころから生きものが好きでしたが、具体的な将来像をイメージしたのは高3のときです。教えることも好きだったことと、専門的な生物学に関わっていたかったことから、高校の理科教員を目指しました。大学では生物学を探究したいというのが一番の希望でした。愛着のある地元の県立広島大学には理想的なカリキュラムの生命科学科(現 生命環境学科)があり、そのうえ、中国山地の豊かな自然と広大なキャンパスは、生きものを学ぶ魅力的な環境と思いました。
理科教員としての財産になった深い学びと多彩なフィールド体験です。県立広島大学では、生きものや、特に興味があった生殖科学について深く学ぶことができました。と同時に、草木や菌など興味の対象が広がったのは「フィールド科学演習」で農業や植物にも関わりを持てたおかげです。また、「生物学実験」も印象深い授業の一つです。分野ごとに先生が変わり、いろいろな実験操作を幅広く学べたことが理科教員として役立っています。生まれ育った土地には愛着があり、地元での進学や就職は私にとって自然なことでしたが、築いてきた人々との縁を大切にできるのも魅力だと思います。昨年度、本校の「総合的な探究の時間」で大学との連携事業を初めて実施しました。私の出身研究室の先生にご協力いただき、生徒が高度な実験に触れる機会をつくることができました。準備に多くの時間がかかりましたが、地元ならではのつながりが生きました。この先も育んでいく人脈で、地域や教育に役立てればと思います。高校時代の恩師である生物の先生と一緒に働くことも夢です。